11月に入った最初の金曜日、千代田区内の訪問先を出たのは夕方5時前のことでした。上野駅の公園口を降りたのは5時過ぎ。平日の上野公園は久しぶりです。日没時間もだいぶ早くなりました。あたりは暗くなっていますが、上野公園は人通りも多いです。背広を着た仕事帰りらしき人や学生らしき人、コンサートや展覧会帰りとおぼしき主婦のグループや初老の夫婦など・・もちろん子連れの家族も動物園のほうから続々でてきます。行き交う人の様(さま)は本当にいろいろです。平日夜の上野は昔のお花見の飲み会以来? 東京国立博物館に歩きます。
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 と、池のほうから音楽が聞こえてきます。金曜日の夜、何かイベントをしているようです。テントもたくさんでています。明るい光が輝いています。歩みを池のほうに向けました。
やはり何かのイベントのようです。ランタン(燈籠)の展示を行っていました。

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前に購入したパスポートの特別展のスタンプが一杯になったのでもう一度
4,000円で購入。(すぐ名前を書くように言われました。記名式です。)
門を入ると、博物館でもライトアップしているようです。本館の壁に絵が投影されています。
 博物館に入場しない人も門の柵の前でさかんに写真を撮っています。

左の写真は、入場して「とーはく君 ゆりのきちゃん」の近くから撮ったライトアップです。

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美術品が次々に投影されていきます。入場者も建物の中に入らず写真撮影をしている人も多い。投影されている美術品は東京国立博物館の収蔵品のようです。
ライトアップを開催しているとは思いませんでした。敷地内でも入館者が撮影をしています。私も適度な(と思われる)場所から撮影を開始しました。





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 巨大なお面が暮れていく空に浮かび上がったり、優雅な着物の写真が浮かび上がったり、幻想的なイリュージョンです。

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写真を撮った位置から、本館左方向へ視線を転じると表慶館もライトアップされています。優美な洋風建築がいっそう引き立ちます。








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般若の面。能面も浮かび上がりましたが、撮影を忘れました。
私は怒った顔が(家族から)「はんにゃ」と形容されるため、自分を戒める意味で撮影しました・・・・。本当はこんな顔が自分の顔といわれるようであっては困りものですが・・・・(反省)。

そして、風神雷神図の拡大された、風神と雷神が投影されます。
両方の神様は特に投影時間が短く、すうーと映り、すぐに消えてしまいました。まさに風と雷の神。


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 収蔵品の投影ですから、重要文化財指定の尾形光琳作の風神雷神図屏風なのでしょう。まず、常設展から見学。その模様はまたの機会に。

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 本館の常設展示を見た後、通路を通って平成館へ。
特別展は平日のもかかわらず、金曜日の延長開館ということもありにぎわってしました。展示会にもよりますが、(観覧者数は)土日の昼間と変わらないのではないかと思いました。家族連れはほとんどいませんが、子連れの家族もわずかにいます。
 意外と多いのが、平日の昼間に来ることが可能なリタイア世代の女性グループや夫婦?、男性など。その他の観覧者は、さまざまで、背広姿の男性と女性のカップル?、私服の学生?カップル、50歳以上の仕事帰りのサラリーマン 私服の男子などなど。総じて年齢層は比較的高い。若い女性はあまりいない。高校生など制服の生徒は皆無。つまり、一番多い観覧者層は、(上でも書いたが)土日祝日平日午前昼間午後夜間延長開館時間を問わずいつでも訪問可能な方々です。(私の独断。)
 今回の目玉は、国宝 狩野永徳の洛中洛外図屏風。米沢の上杉博物館に所蔵されているが、ここでも展示は一年のうち限られた期間のみ。この展覧会でも展示は11月4日まで。
 声高に話をしていた観覧者(40歳台と思われる背広姿の男性と、女性の二人連れ)の会話では「外(つまり館外)に出るのは10年ぶり。」だそうです。この人のように、結構展示作品の前で会話がうるさい人もいて、そうした人にかぎって解説にひたってずっと立ち止まっていたり、ひじをつきだして腰に当てて見入るので、他の人の観覧の邪魔になったり、女性の場合、ハンドバッグが人にあたっても全く気にしなかったり・・・・。
 展覧会順路の最初のほうにある、解説映像を見た後、最初に目に飛び込んでくるのは、重要文化財の屏風図。ここが一番人が多い。上記の国宝は、まだ先にあるかと思ったら、その反対側の壁にありました。たしかに人垣ができている、最前列はなかなか進まない。うしろから見る。
 他の屏風図もそうだったが、えかがれている京都の寺社や御所の位置関係が気になり、人の表情にまで目がいかなかった。とくに永徳の屏風図は画面に占める金色の雲の割合が多いので、名所に目がいってしまい、2700人ともいわれる人の表情まで観察できなかったのは失敗だったと反省。
 (以前展示された)清明上河図は横に長い巻物で、横一列で流れるように見たのでまだ人物の様子まで観覧できたが、屏風図は画面構成が大きいので視点が定まらず・・・・。
 次の間は、竜安寺の海外流出した障壁画や二条城の障壁画。二条城でも普段は公開されていないようです。二条城に訪れたとき、部屋はぐるっと巡回したことがありましたが。
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特別展は一時間くらいで観覧できました。その後本館への廊下を戻り、一階の期間展示などを見て、外に出ました。壁を見上げると、風神雷神図の投影が。間近で見ることができました。


そのご、東洋館で上海博物館の展示を見る。




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時刻は夜8時前。館内に置いてあったパンフによるとライトアップと公園のイベントは10/31-11/4までの期間限定とのこと。夜間延長開館にあわせたライトアップは今日限りということになります。偶然とはいえ幸運でした。
ライトアップも閉館も午後8時まで。公園の池の前のステージでは太鼓のイベントがあったようで、響いてきていましたが、こちらも終わったようです。
博物館を出てもう一度振り返りました。
今年は暑かったとはいえ、11月ともなると夜は冷えます。
フライデーナイトの光のショー。秋の夜長のイリュージョン(幻影)でした。