2014年10月25日  夕刻・・・。
 
 京都国立博物館。特別展覧会「国宝 鳥獣戯画と高山寺」に入場しました。
 ↓ 閉館後に撮影した看板。 入館前は「時間が無いから急げ!!」と撮影の余裕がありませんでした(笑)。

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 最初の展示室は寺名の額など。導入部です。
 国宝 明恵上人の画像もありました。 図の中に「リス」が描いてあるそうです。しばらくして見つけました。上人の上の木の枝にリスがいます。樹木もリアルに描いていますし、上人の表情も写実のようにリアルです。その風貌が伝わってきます。鎌倉時代に宗教色を出しながらも、これだけの人物、動物の写実画を描いているということは、まさに「ルネッサンス」の先駆けではないでしょうか。
 また国宝「仏眼仏画母」の展示が。観音様のような仏の絵でした。
 次の展示室にも国宝の巻物が展示してありました。遣唐使に乗って航海している様子を描いたような巻物です。朱色など色を使って描いてあるので目立ちます。
 目を引いたのは、明恵上人「夢記」(ゆめのき)。重要文化財に指定されています。なんと上人は、当時見た夢を書き残していたのです。展示されている部分では、仏様が夢に出たことを書いています。とすると、上人はフロイトが登場する600年以上も前に「なぜ人は夢を見るのか」と科学者のようなことも考えていたのでしょうか。高山寺の興隆に明恵上人が深くかかわっていたことがよく判りました。これだけの宝物が現代に伝わり、現在世界遺産に高山寺が指定されているのは、上人の遺徳によるものといっても過言ではないでしょう。僧侶という以前に万能の天才だったのではないでしょうか。歴史に名を残すお方はやっぱり違います。


 そして、鳥獣戯画の巻物展示室前の行列に並びます。見学者の列が伸びています。特別展の展示室まで列がはみでています。ジワッ、ジワッと列は進んでいきます。古都館の一番奥の部屋が、列で並ぶ「立ち並び」の部屋になっています。でも大丈夫「正倉院展」、今年の夏の台北 故宮博物院展「白菜」などで訓練済みです。(笑)座る場所は無い。座りたい場合は、列を出ないといけません。(多分)
 年配者や体の調子の悪い人にはキツイでしょう。私は(自称)足腰は丈夫ですし、上記のように過去鍛えているので平気です(笑)。京都は若い人が多いですしね。入場者の平均年齢というのは統計しているはずもありませんが、おそらく私は平均くらいでしょうかね(笑)。
 歩きながら長いガラスケースに展示された「甲巻」を観覧します。「立ち止まらないでください」と係員が何回も繰り返し言います。待っている間子供はスマホをいじっています。私は並んでいる部屋に展示されているパネルや修復の様子、解説などの映像を見たり、配布された紙の資料を読んで時間をつぶします。

 35分くらい待って(並んで)、甲巻が近づいてきました。最前列のうしろの列になるとガラスケースの内部を最前列で人の動く列の間から眺めることができます。少しでも甲巻については、チラ見することはできました。

甲 ・・・冒頭の水の流れの中でうさぎが遊んでいる様子が印象に残りました。うさぎと猿とうさぎがのっかった鹿?が描かれています。カエルはいないようです。
 次のシーンは主役はうさぎ、カエルも出てきます。弓で的当てをするシーン。このふたつの部分が教科書などて有名ですね。三番目のシーン、公開されている部分の最後のほうに長持ち?を駕籠のようなかつぐうさぎとカエルの姿が・・・・。
 ガラスケースに沿ってナメルように見ながら歩みを進めていきます。係員の「立ち止まらないでゆっくり進んでください」と何回も声が飛びます。歩きながらだと落ち着きませんね(笑)。
 紙は和紙なのでしょうが、目の粗いものではなく現在の洋紙のような紙質。修復して汚れなどは落としたのでしょうけどね。墨で描いています。
 事前の解説にあったように「高山寺」の割り印も朱肉を付けて押してあります。散逸しないように押したのですが、結構実物を見ると朱肉が目立ちます。写真で見る以上に。

 「清明上河図」と比べると巻物の用紙の質が違います。絹本なので絹の目がはっきりと分かりました。時代的には「清明上河図」が更に100-150年くらい古いのでしょうか。対して、鳥獣戯画は紙なので細かい目はありません。が、墨書で黒の単色で立体感が 「清明上河図」に劣ります。また、現代的にいえばリアル巻でも「清明上河図」が勝っているような。
 別のコンセプトで描いてあるので両方を単純に比較することは適当ではないですけどね。

 再び乙巻を見るために行列に並びます。最初の甲巻を見るときと異なり、ガラスケースの手前で順番待ちをするような感じで、ほどなく列は進み観覧できました。

乙・・・冒頭の次のシーンの『牛がたわむれる様子』が印象に残りました。冒頭の馬が何頭もいる部分が次に印章に残り、あとの犬などのシーンは・・・・、でした。

丙・・・庶民のおっちゃん達や僧形の人がバクチ?か何かの遊びをしている様子。公開部分の最後のほうにあった『闘鶏』のシーンが印象に残りました。おっちゃんでは烏帽子をかぶった人とかぶっていない人がいますが、何が違うのかは分かりません。女子供も集まっています。当時の人々の様子を描いたようです。

丁・・・薄い着物をきた昔のおっちゃん達が扇当て??などをする様子。
   祭壇に向かって僧侶がお経かお祈りをするシーンが印象に残りました。
 丁までくると、随分いいかげんな書き方です。甲、乙、丙と成績が下がるように、書き方も密度が薄くなっているようです。なんだか、あとの時代に書いたようです。成立年代は甲が古いようです。甲、乙と同じ作者か分かりませんが、書き方に気合が入っていません。特に丁は書き方のタッチも違うので、別人の筆でしょう。おかげで、丁巻は流すように見ました。(笑)
 子供も丁巻は、あまり真剣には見ていませんでした。丙巻くらいまでで、もいううやと飽きてしまったのでしょうか・・・・・・・。

 丙巻の展示室で終わりです。同室にカワイイ犬や鹿の置物(重要文化財)の展示があります。神社の狛犬のようです。が、高山寺は神社ではありませんが、昔の神仏習合の関係で宝物として伝わっているのでしょう。

 甲と乙は東京国立博物館に寄託、丙と丁は京都国立博物館に寄託。一般に「鳥獣戯画」は甲が有名なので、  

 そして、最期に販売スペースで図録を購入し明治古都館を出ました。販売スペースが狭いので混雑しています。すでに閉館の時刻6時は過ぎています。外に出ると真っ暗でした。
 ↓ 入場者の列の無くなった闇に沈むテントと明治古都館のライトアップ。「古都の夜」に映えます。

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 閉館した平成知新館。電気は煌々とついていますが、すでにほとんどの入館者は退出しました。
 秋の夜は早い。といっても京都の日没時刻は神奈川と比べると20分~25分くらい違うので、ここにいると「夕方が長い」と感じます。いや~、今日は暑かった。日が暮れてようやく涼しくなってきました。夏のような・・・とまでもいかないでも9月中旬くらいの暑さでした。

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 門を出て振り返ります。 「鳥獣戯画展」と「京へのいざない」の告知看板の向こうにライトアップされた明治古都館が浮かび上がっています。名残り惜しいですね。

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