2015年5月4日

 信州・安曇野。荻原守衛の個人美術館「碌山美術館」の見学記です。

 碌山と深い関係にあった作家の彫刻が展示されています。
 有名な人物では高村光太郎の作品がありました。


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 企画展示を見た後は売店で買い物です。相馬黒光(星 良)と高村光太郎の回想の冊子を買いました。
黒光なる女性と守衛はどのような関係だったのでしょうか。横恋慕でしょうか!?。回想を読むと、黒光自身はそれほど守衛を特別な存在とは見ていないような・・・・。「私より三歳下なので・・・」と弟のような存在だったような回想です。「女」にしろ「デスペア」にせよ黒光に恋焦がれて燃えるような魂の叫びを彫刻にぶつけたような守衛の作品ですが、恋慕の対象だった黒光当人にとって守衛は「ワン ノブ ゼフ」の一人であったような印象を受けたのは私だけでしょうか?。


 碌山館の前では、見学者が次々に写真撮影をしています。
 新緑の中にたたずむ建物の屋根の上には鐘楼の尖った屋根。教会堂のような屋根の先端は、まっすぐ天上を指して、若くして死去した守衛を鎮魂しているかのような感を受けます。

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 美しく、静かな安曇野の野にたたずむ美術館・・・・・・といいたいところですが、実は線路のすぐ脇にあります。
時折電車が走り、近くに踏み切りもあるのでその都度「カン カン カン カン カン カン・・・・」と音が響き、「ガタン ガタン ガタン ガタン ガタン ブイーン ガタン ガタン・・・・  」と電車が通ります。結構騒々しいです(苦笑)。
 と、「特急あずさ」も走っていきました。モチロン、「ガタン ガタン ガタン ガタン ガタン ブイーン ガタン ガタン・・・・  」と。学生時代、クラブの合宿の際に大町線は利用したことがあるのでここ碌山美術館の脇を通ったことはあるのですが、気付きませんでした(更に苦笑)。
 ああ、もっと早くに訪れるべきでした。
 
 最後に休憩室に置いてあった見学者ノートの記載を紹介したいと思います。
「・・・・20(歳)台からほぼ10年おきに碌山美術館を訪れて、今回で4回目になります。・・・・・。」と几帳面な女性の字で書いてありました。彼女は守衛の作品に魅せられて若き頃からここ碌山美術館を訪問し、齢(よわい)は恐らくは50歳台~60歳台、還暦を迎えられているか、それに近い年代なのでしょう。 現代でもなお、時空を超えて人々の心を惹きつける守衛の作品と生涯なのです。