2015年5月6日 
 
 地下鉄で八重洲口にあるブリジストン美術館にやってきました。六本木駅から日比谷線に乗り、八丁堀で降り、少し歩きます。途中、朝以来、口ゲンカの絶えなかったツレはついにこの時間帯になって逆ギレ・・・というか逆上し、怒ってどこかへ行っていまいました。多分、アンテナショップ街に行くのでしょう。買い物させておけばご機嫌の人ですから・・・(震)。
 てなわけで、私一人で美術館に入館します(震)。私にとっては、ほぼ一年ぶり、二回目の観覧です。
 すでに夕方5時に近い時間帯。閉館時刻は6時なので、国立新美術館で「マグリット展」を観ていた場合は閉館時刻に間に合わなかったかも知れません。
 「サントリー美術館」と「ブリジストン美術館」、ともに企業名を冠し、その創業者のコレクションが母体となっている点では共通しています。館名が「カタカナ」であることも。そのためどちらの美術館がどちらの立地なのか混同してしまう場合があります(苦笑)。「あれ、ブリジストン美術館は麻布ではなかったかな?」と。しかしサントリー美術館が京橋立地というイメージはあまりありません。実は東京の都市地図には「ブリジストン美術館分室」が載っています。場所は麻布で「鼠坂」の近く。傾斜地のガケのそばといってもよい場所にあります。「サントリー美術館」とも実は近い。徒歩だと10分くらいではないでしょうか。そのため混同してしまいますというワケです。(というよりは、ブリジストン美術館が麻布にあるように感じてしまうだけかも!?。)

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 ビル外壁に掲示された看板を撮影。
 ルノワール作の少女像の写真です。パンフレットによると1987年に購入をしています。
 告知にもある通り、会期は5月17日まで。その後は周知のとおり数年間、建て替えのため閉館します。建て替えの契機は2011年の震災であったと思います。都心のビル街のオフィスビルの中にある美術館。万が一、関東大震災クラスの地震に伴い、火災が発生した場合は・・・すべて焼失してしまう危険性があります。建物の耐震性もあることながら、仮に建物は残っても、耐火できるか分かりませんね。近隣からの延焼が一番怖いですから。
 恐らく現在でもビルの中には、作品を守るための耐火金庫というか耐火収蔵庫はあるのでしょうが、果たしてオフィス街の大規模火災に遭った時に耐えられるのか、など総合的に判断して建て替えをするのだと思われます。
 「ベスト・オ・ザ・ベスト」。まるでベストアルバムを出したシンガーの「アルバム名」のような展覧会の名前です。
 この3月31日からは同じ財団の運営する久留米市の石橋美術館から重要文化財指定の作品3点が加わり展示されました。私の近代日本絵画の「重要文化財指定」作品、全点観覧を目標?にしていますから、この機会にやって来た訳です(笑)。
 本来はこの夏にも「未訪問の九州国立博物館とあわせて、石橋美術館も訪問しよう。」と計画していましたが、ここで「重文作品の三点」とご対面できたので、その計画は必要なくなりました。でも少し寂しいです(笑)。
 
 4月のうちに来たかったのですが、なんやかんやで会期末まであと10日あまりに迫った、大型連休最終日の訪問になってしまいました。しかも、ツレとは(入館直前に)大ケンカして一人での訪問です。(再び、震・・・。)

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 入場者は前回の訪問時に比べて、圧倒的に多いです。受付もチケットの販売や観覧者応対に忙しいです。チケットを購入して上のフロアに上がるのですが、忙しいのか受付のお姉さんはチケット販売のみで、案内をしてくれませんでした。私は勝手知ったるというよりも、二回目の訪問なので『そういえば、エレベータで上がるのだったな。』と思い出して、エレベータの前に移動して待ちます。と、警備員の人が「展示室はエレベータで二階の上がって下さい。」とアナウンスしてくれます。

 二階に行き、展示室に入ります。最初の展示室には、「ブリジストン美術館の歴史」コーナーで一室が充てられています。主にパネルや解説ボードによる展示です。前回もこの部屋を見たのか・・・忘れてしまいました。閉館前の特集展示かなと思いましたが、ほぼ常設されているようです。
 最初のほうの展示室は一年前に見たということにして、ほぼスルー。目的の重要文化財指定の作品を探します。中ほどの部屋にありました。
 まずは藤島武二の「黒扇」。ここブリジストン美術館所蔵唯一の重要文化財指定作品です。前回訪問時はまさかの展示無し。今回やっとリベンジを果たしてのご対面です。一年間待ちました(笑)。
 黒い扇をもったエクゾチックな風貌の女性・・・。日本人らしくないなと思っていましたが、武二が留学中にイタリア人の女性をモデルに描いた作品。黒髪はどことなく日本女性を思わせるも、青い瞳を持つ彫りの深い女性はやはり西洋人なのだなと分かります。その碧眼を本当にまっすぐ向けて観覧する私達に何かを訴えかけてきているかのようです。モデルになった彼女は、画家(武二)が描いている間、(彼を)真っ直ぐ見据えていたのでしょうか?。
 ↓ 「黒扇」。写真は、美術館の外壁に掲示の看板を撮影したもの。 

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