2015年9月20日 
 
 会期も終わりに近づきました。私の姿は、六本木のミッドタウンにありました。メインは、ここで食事とお買いものといいたいところですが、サントリー美術館にやってきました。
 大阪の藤田美術館の所蔵品展です。「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」。長いタイトルなので、以降は「藤田美術館展」と略称でなるべく書きます。
 
 「藤田美術館展」のメインは何といっても国宝「曜変天目茶碗」でしょう。会期も終盤で混雑していました。
 大阪の観光地といえば、大阪城。その川を挟んで北側に藤田美術館はあります。しかし、大阪の中心部、一等地にありながら、あまり有名な観光スポットではありません。私も近年まで知りませんでした。明治の豪商 藤田傳三郎のコレクション。
 あまり知られていないのは、なぜでしょうか??。常時公開されている美術館ではなく、季節ごとに公開される美術館であるから、というのが理由と思います。
 藤田傳三郎のかつての屋敷の跡にある美術館ですが、傳三郎自身は大阪の商人の出ではなく、長門 萩の人。年齢はというと、維新の元勲達と同世代。この出身(バックボーン)が巨万の富を得た大きな理由のひとつでしょう。

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  チケットを購入して入場します。ウェブサイトで100円割り引き券をあらかじめ用意しておきました。
 入場して最初の展示は仏教美術です。菩薩像や観音像などの絵画や立像の展示です。
テーマ「傳三郎と廃仏毀釈」とあります。つまり、明治維新直後の時代情勢の中、それまで信仰対象であった仏教関連の絵画、仏像を収集したのでしょう。
 国宝は「大般若経」がありました。展示は一巻のみ。全部では387巻あるそうです。まとめて奉納されたお経の一部を所蔵しています。茶色の紙に丁寧に楷書で書かれていて、現代の私でも読むことができます。もともとは薬師寺に伝来したと説明にはあります。
 巻物の末尾には「大般若経 第六百」とあります。昔はもっとたくさんあって、現在展示されているのは600巻目、残っているのは上記のとお387巻ということになります。