2015年12月27日 
 
 日本橋にある三井記念美術館 開館10周年の記念「三井家伝来の至宝」。
 「三菱一号館美術館」に続いてこちらにも初めてやってきました。「初訪問」です(笑)。 
 
 茶器の展示室に続いて、奥の部屋に進みます。
 艦内の廊下と展示室の間のスペースに「如庵」の茶室の再現があった。傍らには休憩用のソファもあります。展覧会の図録もあったので、よっこれせと腰を下ろして図録を見ます(笑)。
 「如庵」は復元なので真新しい。畳もきれいだ。よく見ると、壁の一部には 歌をかいたような文字を書いた
紙が壁紙として貼付けされている。本物の「如庵」を名鉄犬山ホテルの庭園敷地内で見たときは気づかなかった。あのとき、本物の国宝「如庵」の横に立っていた説明係の人が説明してくれたような記憶があるが、忘れてしまった(笑)。

 と、茶室の中に国宝「志野茶碗」があった。銘の漢字が読めないです。白い不整形の茶碗。わざと形を崩して焼いたような。薄い青の線が横に入っている。線は井桁状に書いている。もしかして、三井の「井」か?、はたまた井桁の井か?。

 ↓ 展覧会のポスターより。右が復元の如庵の室内に展示してあった国宝「志野茶碗」

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 上の写真左側が先の記事で触れた重要文化財指定 光悦の「黒楽茶碗」 銘 「時雨」

 床の間の壁には、伝紀貫之の「高野切」が掛っている。文化財指定はないよう。如庵は最初は東京の三井家の屋敷にあったが、昭和の戦前期に大磯の三井家別荘に移築されたそう。上述の通り、現在は名鉄の所蔵で 三年前に行った。当時、内部の撮影はできなかったので中の様子は忘れてしまった。
 
 復元如庵の前に「第四展示室」があります。書跡、絵画の展示室です。
聚楽第の屏風図が目を引く。文化財指定もなく、作者も不明。金雲をめぐらせた洛中洛外図のような 屏風でした。
 敦煌経 唐の時代シルクロード伝来のお経のうちの一巻があった。紙が茶色でかなり乾燥していてちぎれてしまいそうなくらいです。細かい楷書の文字でびっしり書かれています。

 ↓ 同じ展示室にあった定家筆の国宝「熊野御幸記」。 帝に随行して熊野神社を参詣した日記。
  意外と短期間で京と熊野を往復していました。往路は、京から現在の大阪、更に和歌山とどんどん熊野に向かって移動して行っています。意図して記録したものではなく、メモ書きのようで記した感じが分かります。
 
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 「第四展示室」をぐるっと見て、次は復元如庵の先の展示室に進む。
「手鑑」などがありました。その中で目を引いたのが国宝の銅製船氏王後墓誌。中国のものを入手したのかと思いましたが、日本で出土した古代の墓誌でした。現在の大阪府で出土した墓誌。赤銅色の板。文字が刻まれています。丸い文字で 古墳時代の鉄剣の銘文を思わせる漢字です。「天皇」の文字がはっきり見えます。没年は668年ですから、天智天皇、天武天皇が同時代の人物といったところでしょうか。船氏とは聞かない家系です。
朝廷につかえた貴族なのに。これほどの人物なのにその子孫は飛鳥 奈良の朝廷で活躍していないのでしょうか?。

 重文指定、羊皮紙の地図がありました。江戸初期の日本の姿で、正確ではありませんが、ほぼ今の日本の姿に近い地図です。羊皮紙とはおそらく外国船の影響を受けたのでしょう。

 展示室の途中、廊下というくらいのスペースに小さい展示ガラスが・・・。近代の切手コレクションなどが展示されある。江戸時代の飛脚の宛名を書した書状の包み紙がある。封筒に宛名とある程度の住所を書くと飛脚がちゃんと届けてくれたそう。「飛脚状」とあります。
 大阪の加島屋から三井南家にあてたものがありました。また、京都の三井 三郎座衛門 髙〇へ宛てた大阪の商人からのものも。三井家にあてたものだったので、現在も保管されているのでしょうか。テレビドラマでは 加島屋はあさの婚家のモデルであったようです。出水家ではなく、南家との飛脚状が残っていました。 

 最後の部屋は 向かって左に刀剣。右に能面。正面のガラスケースの中に国宝「雪松図」。
国宝の刀剣は二振。無銘の正宗と貞宗。背の堀りが無い剣がひとつ。梵字と不動明王の剣が刀身に掘られている。
↓ 展覧会のポスターより。上が国宝の短刀。

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 国宝「雪松図」は几帳面な楷書で「応挙筆」旧字体とある。その下に朱肉で落款を押している。あの春画にも同じ署名があった。紛れもなく同じ筆跡。 ともに応挙の作品であることがわかります。サイン落款はマネできますけどね。だから、応挙のニセモノも多く出回っている訳です。右の屏風は右下に。左の屏風は左下にそれぞれ署名と落款があります。写真で見ると光っていて新しく見えるのですが、実物を見ると白い背景に反射して明るく見えるし、たしかに古さを感じない。説明によると、もともと三井家の注文によって描かれた作品で 紙や材料は当時最高級のものを使用しているとのこと。明治以降に購入した作品ではなく、「三井家伝来」のお宝であったことを知りました。
 屏風絵の背景は金箔をまき散らしているんかのよう。シンプルだが、深い色合い。松と雪は墨で描いているよう。カラーの絵の具を使用しているように見える。しかし松の葉は緑に見えるが、実は墨の濃淡で表現している。松の葉を一本一本墨で描き、その上に白い雪がのっかっている様子を見ごとにとらえている。白い雪は、紙の白を生かして雪を表現している?。つまり、白い色を塗っているのではなく、紙の白さを生かして雪を表現しているかのよう。現在 応挙の作品の中で唯一の国宝とのこと。本当に傑作です。国宝に指定されるゆえんが分かりました。(今さら私が言うことではありませんけどね。)

 見終わって展示室の外に出ました。ぐるっと廊下を通って受付の前に出て、元のエレベータに乗り、一階に下りました。

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↓ ビル一階のロビーにあった。「三井本館」の解説。

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 ↓ 三井本館の外観。隣は三越です。年末商戦の真っ只中でした(笑)。

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