平成27年12月12日(土)

 「春画展」 SHUNGA 「世界が先に驚いた」の会期末も迫って来ました。永青文庫に再び行ってきました。
 四階の肉筆画の展示を更に見ていきます。


※ご注意
 この記事の文章には、性的に露骨な文章が含まれます。不快に感じる表現があるため、あらかじめご承知おき頂き、露骨な文章を好まない方は、以下読まないようにお願いします。






 山楽、長谷川等仙などの肉筆画をて見て進んで行く。が、ガラスケースの最前列は混雑で列が動かない。
 
第二コーナー(展示室に入って最初のガラスケースの角を曲がった次のガラスケース)


 前期の展示で見た「鎧を着てめくると交接している様子が現れる絵」と「目玉だけ出した坊主頭の男が後ろから、乳房をあらわにした裸の女をまさぐっている絵」は、無かった。展示が変わっていた。

 展示室内は撮影は禁止。しかし、行列しながらガラスケースを見ていた見学者の合間で、写真を撮った女がいた。驚くべきことだ。まさに「アメイズ」だ。しかも私の隣で見ていた女・・・・。こそこそと携帯電話(ガラケー)を出して、何をするのかと思ったら、写真を撮影した。「カシャ」とオトが響いた。誰も注意しないし、気付いていない様子。が、オトは確実に響いていた。
 私も特に注意はしませんでしたが・・・・。こういう女は、下手にかかわると騒ぎ出して、何をし出すか分からないので、私も警戒してしまった。混雑して行列しているにもかかわらず撮影するとは・・・。手にたくさん資料のようなものをもっていたので、研究者かなと思ったが、研究している者ならば、美術館の職員立ち合いのもと、堂々と撮影する筈。女は背の低い、年齢が45-50歳くらいのイケてない感じの地味な女だった。
  「看視員はどこだ?」だと思ったが、いない・・・。前回来たときは、会場内の人をじっと見回して「看視」していたのに・・・・・・。この日は人員が不足しているのか看視員がいなかった。というか、混雑しているので私の視界に入らなかっただけなのかも・・・・。

 第二コーナーガラスケースこの辺までは混んでいるが、うしろから最前列の隙間に入り込むことは可能。
 展示されている絵、画中の女は、目を細めて、悦楽の表情だ。


 第三コーナーのガラスケース。
 「圓山応挙の肉筆画の展示が」。二場面あります。あからさまな性器の描写はありませんが。布団に入り、男性上位のいわゆる「正常位」の画とあとの場面は忘れた・・・・・(笑)。タッチはあまり濃くない薄くて軽い。が、とても丁寧な描写です。この描き方といい、画面の左にある「応挙」(実際には旧字体)のサインは、確かに真筆の応挙作品と同一サインです。これを中年の女性「え~、圓山応挙も 描いていたんだね~。みんなあの時代は描いていたんでしょ~。」

 第四コーナーのガラスケース。
 最後に徳川ミュージアム蔵の巻物の展示が。二場面ある。露骨ではないが、横の体位から男性器を入れている男と、挿入されて悦にひたっている女。もう一つの場面は、やせていて、ちょっとキモイくらいの男と女の交わる絵。肌の色が鮮やかで印象的。人物は小さいが、丁寧に描いてある。さすが、御三家の所蔵品だけあり、画材にもお金をかけている感じ。「将軍の家族の家に伝来しただけの作品である。」と展示の説明にもあった。


 四階の展示室内。長持ちの前と同じく、独立したアイランドガラスケース内の展示品。狩野派の巻物だ。こちらは露骨な交接の図だ。

 再度、最初の(壁面の)ガラスケースを見ようとするが、行列が途切れない・・・・。このフロアのガラスケース内の肉筆画は、ほとんど作品や場面が入れ替わっていた。同じ作者の巻物でも、場面が替わっていて、ほとんど別の「春画展」のようだった。二回見に来て正解だった(笑)。

 この日は土曜の夜とあってか、見学者は女性の方が多い。肉筆画の展示室内でいうと、私の見たところ、男性よりも女性の方が多い。ただし、年齢層は男性と女性にそれぞれ分けると、男性の年齢の方が高い。見たところ、白髪の男はいるが、その同年齢らしき女性は少ない。
 私の見る限り、中年の夫婦?(男女)はいるが、老年の夫婦?(男女)は、いなかった。体をぴったりくっつけ、男が女の腰をに手をあてて観覧している中年の男女も・・・・。夫婦ではない感じ・・・不倫かな(苦笑)。
 若いカップルは、前回来たときよりも多い。カップルは学生くらいの年齢かな。子育て世代の20台後半から40台前半のカップル、その夫らしき男性の見学者は、見なかったと記憶する。前回も言及したように、子のいる家庭の場合、家族で来るトコロではありません(笑)。
 たとえば、ガラスケースの最前列の行列、10人をピックアップして数えると男女比は、5対5の場合や男3、女7の列も。列によっては「女10」もある。女の子の単独見学者はいるのだが、前回よりも少ないもよう。この日は、女の子の二人以上のグループが目立った。
 よって、展示室内は若い女性の甲高い声が響く。にぎやかだ。その声とは「うわっ。 これっ、・・・きゃはは・」、「ははッ、スゴイ」、「アハハ、コレヤバイ・・」など、嬉しそうなな声をあげています。「うわっ、入ってる」もあったような・・・(笑)。

 春画の別称「笑い絵」という語はここからきているのではないか?、とようやく気づいた。展示室内で笑っているのは、皆女性です。男ではありません。男は笑って見ていない・・・・・。ただし、画を遺している絵師は皆、男です。
 女絵師の春画はないでしょうか?。展示では、そのような(この絵は女絵師の作であると)説明はなかった(と思う)。
 「春画展」では、「男も、女もともに悦楽にひたっている。春画の世界では男女平等」というコピーも見た。しかし、果たして本当に対等だったか??。当時は圧倒的に男優位の社会。「男女平等」というのは、現代社会の視点から見た春画の価値観ではなかろうか、とも考えた。
 会場でも「絵師は皆、男だよね。」と言っていた50歳くらいの女性がいました。夫らしき人と来ていたような。女性は「(春画は決して男女)対等ではない。男目線だ。」と言いたかったのかもしれません・・・・。
 

 室内の熱気でおかしくなりそう。汗もかいた。ワタクシ「発汗してきました。」(笑)。ガラスケースにも手のアトがついていて曇っていたり・・・。生々しいです・・・・。ただ、この日は、看視員が四階にはいない?。写真撮影をしても注意する人がいない。

 「女性のみの鑑賞日、時間帯はないのか」という人もいるかも知れない。見知らぬ(変な、ワタシのような)男とと一緒に鑑賞したくない女性もいるでしょう。
 ここが男と女の脳の違いです。男の脳の感覚から言えば「ゥエルカム」でしょうが、女は違う。ああ、男はつらいョ。混雑している狭い部屋の中で、見知らぬ男女が、昔のものとはいえ、男女の性愛をモロに表現した絵を見るのは、無理があるのかも。

↓ この日撮影した別館(ミュージアムシヨップ)前のパネル。

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 肉筆画の展示室を出て、階段を三階に下りる。版画の展示室へ。いざ~(笑)。