2016年5月1日

 東京国立博物館にやってきました。
 国宝室は仏画。仏の顔などはかなり剥落していた。撮影は禁止だった。特別展は時間の関係で割愛した。
 
 「平成28年新指定 国宝・重要文化財指定文化財」展示は、一階の仏像コーナーから見学開始。
 国宝では、西大寺の所蔵品「木造叡尊坐像」 鎌倉時代 の展示が。正式名称はもっと長い。
 叡尊80歳のときの坐像。89歳まで生きたそう。リアルに僧のシワまで刻まれている。長いまゆ毛も表現されている。色はついていたのだろうか。実際は、白いまゆ毛だったと思う。衣のひだも木彫で見事に表現していた。着物が左右に広くなっている様子が描写されている。
 2階の展示室へ。今回の目玉は舟木本の「洛中洛外図屏風」。以前、特別展「京都」では展示期間の関係で見ていなかったかな・・・。

 私が注目する近代美術の重文指定は今回2点あった。
竹内栖鳳の「絵になる最初」 大正時代 京都市美術館
福田平八郎「漣」(さざなみ)  昭和7年。大阪新美術館準備室(大阪市)
 福田については、知らなかった・・・・・。作品も見たことがない。しかも昭和時代の新しい作品。しかも、大阪市は新しい美術館の解説を予定しているのだ。
 絵は、蒼い(コバルトのような色)模様の波が画面一面に描かれている。抽象画のようだ。誰か、海外の抽象画の画家の影響をうけたのかなと思わせる画風。ひたすら、丸いおなじような波を描いている。

 栖鳳の「絵になる最初」は、「斑猫」に続いて2点目の重文指定ではないだろうか。「京都市美術館」では最初の近代美術部門での重文指定?。京都ゆかりの近代日本画家の重文指定おめでとうございます。といったところか。「絵になる最初」は栖鳳の嗜好を反映しているのかな?と思ってしまう。モデルの少女(まだあどけない表情だ・・・。)について、何かあらぬ感情をもってしまったかのようなヤバイ描写と感じるには、男性目線、かつ私だけの視点か・・・・。ヤバイのは私自身なのかも(苦笑)。
 
 国宝指定としては、
 「春日大社の紺の鎧」があった。
 紺の色の糸で編んだ鎧。胴体の防護の部分太い。
 金沢文庫関係の文書はどこかよく分からなかった。

 重文指定であるが「真珠庵文書」は、鎌倉時代以降長期の文書のようだ。土地に関する出納関係の文書で帳簿のような感じ。寺領もあったろうから、そこでの米の収穫高なども書いてあるのかも
 日本でいうと江戸時代の琉球の地図など琉球王国の文書、といか図面「琉球国之図」もある。カラフルに地図が描かれている。首里付近ではなく、沖縄全体、本部半島や水納島、伊江島などの島もちゃんと描かれている。

 新規国宝の「舟木本」は、すでに国宝である永徳作のものと比べると時代は下がる。人物、建物の描写はより桃山時代というか、江戸時代前期というか、何となく華やかでお祭りの規模も大きいよう。時代が安定してきた時期の「みやこの様子」を描いたもののようだった。

 ↓ 本館玄関入口にある垂れ幕。


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その後、真下の「近代」の展示室を少し見て、次の国立西洋美術館に移動した。