「原田直次郎展」の鑑賞。 神奈川県立近代美術館 葉山館。

 4月のある日、葉山までやってきた。自宅からは車で134号線を通り、スムーズに来ることができた。もっとも休日の日中は渋滞だが。
 「神奈川県立近代美術館 葉山館」、以前から持っている神奈川県内の道路地図には、その記載がない。小規模の博物館?や県立公園は、元々この地にあったようだが・・・・。神奈川県立近代美術館のウェブサイトによると、2003年秋の開館だった。が、今まで来たことが無かった。丁度、開館した頃は勤務地の関係で、神奈川県内に居住していなかった。
 さて、国道134号線経由で鎌倉、逗子と「渚ドライブ」をし、葉山へ。・・・・・・いつもここを通るときは、御用邸の前の交差点で海に向かって、左(つまり、南の三浦方向)に曲がってしまうし、交差点付近は「神奈川県立近代美術館」と大きく表示されていないので、知っていないと(美術館の)場所が分からない・・・・・。実のところ、数年前までは「神奈川県立近代美術館」のことを「鎌倉」だけかと思っていた・・・・・・・。が、鎌倉にも「鎌倉館」と「鎌倉別館」があることが分かった。ななんと、今年話題になった「カマキン」の閉館には、行かなかった・・・・・・。全くの「スルー」。「カマキン」が「鎌倉館」と「鎌倉別館」のどちらの愛称なのかも知らなかった・・・・・(苦笑)。
 
  美術館に向かう途中、天気が急変して大荒れになってきた。御用邸から、狭い道に入る。数百メートル進むと、「神奈川県立近代美術館」駐車場の入口の看板が見えた。天気の影響だろう、すいていた・・・・。
 今回、閉館に際してカマキンを(私は)スルーしたが、今後はこちら葉山が「神奈川県立近代美術館」の本館としての位置づけとなるであろう。
 しかし、交通は不便だ。電車で簡単に来ることはできない。車やバスで来る場合でも、晴れた日、特に夏は大混雑だろう。海水浴客もいるたろうから。 美術館の近くには「一色海岸はこちら」との看板もある。夏は大賑わいだ。
 
 ↓ 神奈川県立近代美術館 葉山館 エントランス。

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  ↓ 神奈川県立近代美術館 葉山館 エントランス。傘タテに傘が並んでいる。
    この日は荒天で傘持参は必須の天気だった。よって、入館者の数が推測できる(笑)。

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 駐車場に車を停めて、建物まで歩く。実に近代的な建物だ。入口へ階段を登る。ガラス張りのモデンな入口。入ると、広いエントランス。受付のカウンターには女性係員二人いる。
 料金 特別展の「原田直次郎展」は1200円。常設展ともいうべき展示の「明治の美術 コレクション展」の料金込み。 「明治の美術 コレクション展」のみの場合は、入館料金は安い。
 この日の人(入館者)は少ない。悪天候のためだろうか。館内は、シーンとしていて静かだ。
 
 展示室に入る。
 「明治の美術 コレクション展」 から見学する。常設展の部屋での開催だ。

 まず、目に飛び込んで来たのは、ワーグマンの風景画、日本の人物の作品だった。「日本の女性」 二人の日本の女の姿だった。日本人を日本人らしく書いている。西洋人が描いた作品とは思えないくらい。
 高橋由一の作品が一点あり、その隣に池田亀太郎の「川鱒図」がある。名前は聞いたことが無い画家だ。まさに高橋由一の鮭と酷似している。「鮭」と間違ってしまいそうなくらい・・・・。
 この「川鱒図」の絵についての説明文が作品の所に無い・・・。制作年も「不明」とある。ぱっと見たところ、由一の作品とどちらが先に制作されたものなのか?、分からない・・・・。こちらは模写なか、詳しいことが分からない・・・・。
 池田や由一についての解説文がある。「・・・・由一は 武士の子であった。」ことが書いている。佐野藩士の子として生まれ、同地の領主、堀田家の殿様につかえていたが、その後絵の道に入ったようだ。・・・」とある。
 多分、由一が師匠で池田が弟子でその影響を受けたことは、作品や解説文から理解することが出来ます。由一の「鮭」が先です。


 続いて五姓田芳柳の作品と子の義松の作品。父の作品、「磐田譲 像」 まん中に軍服姿のモデルの姿。周囲に星のマークの貼った軍の帽子と黒い肋骨服姿。その他 礼服姿でいくつかポーズをとる依頼者の肖像。水彩画のようだ。よって、描いた当時に水にぬれたであろうとめか、紙にしわができている。
 隣に幼児姿の子「磐楠像」。これは、前回「五姓田義松展」で見た。油彩画である。当時はフランスで 男に女の子の姿をさせたそうだ。
 解説文が作品の横にあり、五姓田の親子、それぞれで井田家の親子の画を書いている。井田(父)はのちに男爵となる人物だ。(このとき、すでに爵位を持っていた??。) 井田が当時、軍の高官であったことは間違いない。
 
↓ 展覧会のチラシ。今回展示のあった、ワーグマン「街道」、五姓田義松「老母図」、「井田磐楠像」の写真掲載がある。
 五姓田義松の「老母図」と「井田磐楠像」は昨年歴史博物館での「五姓田義松展」で鑑賞し、強く印象に残っている。

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 ↓ ポスター。黒田清輝の作品だ。

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 浅井忠の作品として肖像画があった。これは、モデルの子孫が寄贈したもの。藤嶋武二の「T氏の像」もある。黒田清輝は一件のみだが、展示があった。全部で五点ある。「逗子 五景」。作品には1~5までの番号が振られている。 農村付近の湿地のような風景が描かれている。黄色が基調の府警がは、秋の様子かな。が、現在 逗子にこのような風景はない・・・。昔の逗子周辺は、このような風景だったようだ。空想だろうかと思ってしまうくらいの現在の景色との違いようだ。現在展示がここにあるということは、開催中の国立博物館の「黒田清輝展」には出品されていないのだ。

 ↓ 展覧会のチラシの裏面。黒田清輝「逗子 五景」の作品。

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 青木繁の作品もあった。いろこの宮のデッサンのような作品というか、複写の展示がテーブル状のガラスケースの中にあった。
 常設展の部屋は、長方形の大きい一室のみ。さらに奥の部屋は、特別展の会場となっている。「騎龍観音」の大きい絵が見える。

↓ 企画展のポスター。

常設展示室の奥にこの「大きな絵」がドーンと展示されているが見えます。

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