「京都迎賓館」の試験公開。
 
 正面玄関から館内に入り「聚楽の間」へ。
↓ 次の部屋に進むと「夕映(ゆうばえ)の間」だ。
 
  部屋の東西の両壁にある壁画は、説明によると「愛宕山と夕日」だそう。だから「ゆうばえの間」。京都市内からだと愛宕山というのは、あまり見えないような気がしたが、気付かなかっただけ!?。
 作品名は「愛宕夕照」。愛宕山の南に沈む夕日と、その手前の家々と林と平地は嵯峨野付近であろうか。

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↓ 「夕映(ゆうばえ)の間」の調度品だ。螺鈿の工芸技術が施されている。
  「螺鈿」といえば、正倉院の宝物でも有名だ。扉の黒い板の漆塗りだ。漆板に円形に螺鈿で紋様が施されている。
  奥は、中庭。
 

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 部屋の廊下側には、見事な池がある。正面が順路になっているらしき、橋。見学者が渡っている。
 最初の部屋「聚楽の間」は、掲載の写真 ↓ では、左の方向に位置する。右手は、これから進むであろう部屋だ。
 池を望むと、その先に林が。ビルなどが一切見えない。天気のよい冬などの日は、京都盆地を取り囲む遠くの山々が借景となるのであろうか、などと想像。

 ↓ 池の置石が、直線と円筒の石。「丸」と「角」で対象をなしている。
    柳の木が水面に映る。初夏のような光景だ。

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 ↓ 池の右手。置石は池泉回遊式の庭園にあるような庭石。恐らく自然石。
   池の建物よりには「洲濱」も造作されている。廊下は一面ガラス張り。よって池のほとりに出ることはできない。
   御簾が天井から下がっている。

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 ↓ 「夕映の間」での伝統技能披露の様子。

 

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 ↓ 「愛宕夕照」の遠景と室内、天井は格子になっている。間接照明になっている。
   もしかして、太陽光が昼間は入る?。この壁画は、部屋の西側の壁にある。
   写真中、左側が南の法学で「枯山水」の中庭がある。右が北で廊下。その先に池がある。

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 真南は、枯山水のお庭。中庭か、坪庭ともいうべきか。中庭に上手く太陽光が入るようになっている。
 枯山水の白い砂利の庭園の中に置かれる物は、石ではなく、金属体のようだ。現代の彫金技術が施されているのであろうか。

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 東の壁には比叡山の絵がある。「比叡月映」。比叡山は、山脈のようにピーク(峯)がいくつかある山と思っていたが、ここではほぼ三角形の独立峰の形状。「あれ、比叡山ってこんな形だったっけ?。」と素直な疑問(笑)。


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 「愛宕夕照」と「比叡月映」の製作過程の説明。「大会議室」とあるように「夕映の間」は、大臣会合やお茶会などに使用されるようだ。
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 「綴織」とは、原画を元に、染糸を織りこんでいくそうだ。これだけ大きな画を織り込みの技法で製作するとは、相当に大変だ。織るのに5ヶ月かかかったと説明にあった。
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 「比叡月映」の拡大。「月は東に日は西に」の俳句のように、西に比叡山と月、東に愛宕と夕日と対になっている。
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↓ 「比叡月映」の全体と室内東側の様子。
 この大きな部屋は可動式の壁で三つに区切ることができ東の部屋は「比叡の間」、西の部屋は「愛宕の間」とすることができる、と説明板の解説文にあったかな?。(説明の音声テープが流れていたと記憶する。)
 説明のテープもあまり聞かずに、どんどん順路を進んでいた(苦笑)。

 ↓ 「比叡月映」のある壁と室内の様子。
  一旦、廊下に出て、池を見ながら、次の部屋へ順路を進む。

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 廊下に置かれた庭園の説明。「××」園のように特に名称は付いていないようだ。

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 次は、藤の間だ。ここ「夕映の間」の用途は、会議やお茶会ということで、東京の迎賓館では南向きの「朝日の間」に相当するのではないか。「朝日の間」も、会見や会議、お茶会が用途だったと思う。
 ここ「夕映の間」は南向きに窓がある。(窓の障子が開放されていないので、外の風景は分からないが)
 一番、南の部屋だ。ただし、北方向の池が開放的だが。

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