2015年9月23日 世界遺産 知床国立公園

 この旅行も本日が最終日だ。

 羅臼から北東方向、半島の先端に向けて道路を進む。相泊温泉」、つまり「最果ての温泉」に寄る。更に先に進む。知床半島で車で行ける終末地点の相泊は相泊温泉からすぐだった。

 ↓ 「相泊」を流れる川にかかる橋から。コンクリ護岸された川が海に注いでいる。自然の川が流れ込んでいる様子ではないので、世界遺産、国立公園、秘境という感じが無い・・・・。

DSC04806

↓ 舗装道路の終末点、を振り返る。橋を渡ると、アスファルトの舗装が途切れている。
  本当に道の終着点だ。

DSC04812


↓ 拡大。番屋がある。家なのか番屋であるのか、判別が難しい。
  「道道×号線」の水色の看板がある。

DSC04824


 相泊温泉の先数百メートルが港であり、道路の終点である相泊集落。何人人口がいるかは、分からない。道路の周囲には、人が住んでいると思われる家も確かにある。番屋と異なり、閉鎖されていなくて、生活感があるので何となく分かる程度だ。

DSC04825



 川が流れている。「相泊橋」とある。コンクリートと鉄柵の何の変哲もない橋だ。
 ↓ 橋から川の上流。


DSC04805


 漁港がある。立派である。漁船が多く停泊している。何軒も小屋がある。トタン屋根ではあるが、立派なつくりなので家と見間違う。
 と、相泊まで車できたり、バイクで来る人(観光客)もいるが、何も無い処である。あまり見ずに、すぐに折り返して戻ってしまう人もいた。本当に何もない・・・。いや、「何にも無い所であるから、何でもあるのだ。」

DSC04804


 今は、9月だ。川に戻って来る鮭を見ることが目的だ。昨日のウトロ周辺では見なかったので。ここ羅臼ならば、自然に流れ込んでいる川で鮭の遡上を見れるのではないかと考えた。
 と、橋の上流の川の水流れに鮭がいる。 ↑ (以下、基本的にサケと書く。「鮭」だと食べ物の鮭のことかな)
  黒い物体が川の流れに反して泳いでいるのが見える。が、素人目で見ると、まるでコイのようだ。しかし、コイよりもスリムだ。(当たり前だ。)
 目をこらすと、水流が緩やかなところに、サケがいた。
DSC04803

 集団でまとまって、流れに身をまかせている。跳ねて遡上するような勢いではない。卵を産むようなそぶりもない。ただ、流れに身をまかせている。
 カラスが傍らの川岸で、サケの身を食べている。岩の上に食べられたサケの死骸がある。更に上流は山。川の横に家があるので、敷地を通らないと上流には行けないようなのでやめた。

 ↓ 産卵後であろうか、脱色したサケ。(カラフトマスかも知れないが・・)

DSC04807

↓ 浅瀬を泳ぐサケ。産卵の準備をしているかのようだ。
シロザケか、カラフトマスか。
(以下も一応は「サケ」と書きます。)
DSC04809

↓ コンクリートの堤防で囲まれた相泊の漁港

DSC04808


 橋の下流にも黒いサケが泳いでいる。もしかしたら、カラフトマスのメスかもしれない。とがった口ととがった尾びれの「オス」は見なかったと思う。
 ウミネコのような白い鳥とカラスがサケを食べている。カラスには興ざめだが・・・・。人のいる所には、カラス有か・・・・・。
DSC04814


河原には、サケの死骸もある。大きなサケはメスだろうか。色が黒いのでカラフトマスかな。身がつまっていておいしいのか。口が尖っていないし、背びれも小さいのでメスだ。栄養価が高いので、メスがターゲットになりやすいのだろう。オスはいらないという訳か・・・・。
 小さい脱色して精根尽き果てた魚の死骸はおいしくない??。鳥も放置している。
 
DSC04813


相泊の川は勢いよく 海にながれ込んでいる。河口部は、流れの幅が狭い。この狭くて、浅い急流をサケは遡上して来るのだ。なんという、生命力であろう。

DSC04815

 河口の横には漁港があり、護岸のためコンリリート製のテトラポットで覆われている。堤防の内部には船が停泊している。海岸に近い海には 白い鳥がたくさん群がっている。海中には、サケの大群がいるようだ。日中は、海中で過ごし、未明から早朝に順次川に遡上してくるようだ。

DSC04816


 水面下にはサケ(カラフトマス)が集まっているのだろう。海から川に上ってくるサケは見えなかった。
 川の水面近くで、サケがゆらゆら揺れて、泳いでいるのは感動した。サケはもうすぐ命をおえるのであろう。昨日見た映像にあった「クマがサケを食べて、サケの腹からイクラが血のように ピーと飛び出ている」ようなシーンは目の前ではなかったが、数年かけて同じ川に戻ってきて、産卵して、精子をかけて受精させて、すぐに命を終えていまう、サケ(カラフトマス)の一生の「力強さ」と「ははかなさを」同時に感じた。

DSC04819


沖合でも鳥がたくさん群れて、待っている。水面下の魚を狙っているかのようだ。

DSC04820

 ↓ この先は道路はない。
 知床岬の方を見ると 大きなリュックをかついで歩いてきた若い男ががいた。歩いて戻ってきのだろう。
 相泊から先は、自動車では入ることは出来ない。が、徒歩では比較的自由に入域できるようだ。 

DSC04817

↓ 相泊の番屋や駐車場の付近。海岸から見上げる。

DSC04818


 相泊橋を渡ったところに、駐車場があり、数台車が停まっている。入域する人のための駐車場のようだ。車が入れるのは本当にここまで。この先には、道が無い。
 「知床はヒグマ高密度生息地」「すべて自己責任」「とっていいのは写真だけ」とある。
 

DSC04810



 看板の近くには「入林箱」が設置されており、計画書を出すようになっている。知床岬への入域は「入林」と呼ぶようだ。入林に関する情報は、先ほど通過した「ルサフィールドハウス」で得られるとある。


↓ 「相泊」の駐車場。戻って来た人だうか、車の中の荷物を整理している。

DSC04811

↓ 相泊の港と羅臼の街の方向の海岸線。ああ、知床の国立公園地域だ。

DSC04821

 相泊から先、知床岬方向。知床岬まで、20キロくらいか。ウトロ側よりも車で入れるエリアは、より岬に近い。
 相泊は観光地ではない。普通の漁村、最果ての漁村だ。しかし、サケ(カラフトマス)の遡上している姿を見て、一番この旅で印象に残った地だったと思います。

 さて、セセキ温泉に戻ることにする。
DSC04828