2015年9月23日 北海道 知床国立公園。

 「セセキ温泉」で少しばかり、足湯を体験。さすがに、全裸で入浴する「勇気」はなかった。相泊温泉と同様に恰好の「被写体」となってしまうため・・・だ。
 車に戻り再度、出発した。数分で、ルサフィールドハウスまでやって来た。「知床世界遺産 ルサフィールドハウス」だ。 

 先程、相泊に向かう途中に通過したときは、開館時刻の前だったが、到着したときは、ちょうど朝の9時前。開館まで、あとわずかだった。敷地の入口には、チェーンがかかっていて車は進入は出来ないが、あと一分だと思い、待つ。チェーンの前で車を停めて、そのまま待っていると、係の女性がやってきて、チェーンを外して入場させてくれた。そのまま、駐車場に車を停める。敷地は広いが、駐車場のスペースは数台分しかない。
 風が強いようで、係の女性は、髪が乱れないように頭を押さえながら建物に戻って行った。私達は、本日、最初のルサフィールドハウス(以下「ハウス」)の入場者となった。

 ↓ ルサフィールドハウスの看板と入口の様子と羅臼方向。

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↓ ハウスの前から知床の山側を見る。だだっ広い、草原が山まで続いている。
 何でもない、晴天のように見えるが、上でも書いた通り、山から強い風が吹き付けている。冷たい風だ。
 写真では、分からないが、木も風に吹かれて揺れているのだ。
 遠くでは、雲も分裂しているし、流れが速い。

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ハウスの前の道路ごしに海と国後島(見えないが・・・・)。時折、スピードを出して車が道路を走行する。

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 車を降りた途端に、猛烈な風にあおられた。道理で先ほど、係の女性が頭を押さえて、歩いていた訳だ。山から強烈な風が吹いている。風も冷たい。晩秋を思わせる風だ。気温は20度以上あり、長袖シャツ一枚で大丈夫なのだが、強くて冷たい風のため、体感気温がぐっと下がる。

 フィールドハウスの建物に入る。建物は強風や冬の暴風雪を避けるように、山側に壁と軒下通路を造って、入口を設けている。

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館内には、ビジターセンターのような知床の自然に関する展示がある。
熊の剥製などがある。

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 館内のボードには 熊の目撃情報などがある。
相泊から先の知床岬方向にかけて何カ所かでクマの目撃情報がある。相泊から知床岬に至る途中の海岸部でクマの出没情報がある。知床岬までは「石浜」だとある。
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 今年の7月の情報もあるので最新とはいえない。詳しくヒグマの目撃情報が出ている。が、この付近は、クマの生息地域なので、クマを見ないほうが、おかしいのではないか。あくまで、知床においては、人間は入らせて頂くというスタンスだ。先の相泊でも掲示があたし、ここハウスにも掲示があるが、知床岬方面の入域制限エリアに十分な装備と、自己責任が求められる。
 クマの生息数は限られているのだろうか?。全体では、生息数は分からない。昨日の遊覧船では、クマに名前が付いているので、固体数は限られているように感じた。
 また、ボードには昨年、ヒカリゴケの岩が崩れて「現在は見学できない。」とあった。ヒカリゴケの現地には何も表示がなかったが、こここに来て理由が分かった。

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 事務室内では、先ほどの女性が一人いるのみ。職員は一名のみのようだ。館内は私達だけなので、シンとしいる。
 ハウスの山側にガラス窓があり、知床の山が見える。この先はルサ峠に続くうだ。ちょうど、ウトロ側のルシャ湾と反対側になる。「知床のルサ峠の道が、一番標高が低くなっている。かつては、(知床横断道路開通前)知床半島を徒歩で横断する道だった。」と昨日の知床岬遊覧船の船内案内でも聞いた。
 知床半島で山が低くなっている鞍部だ。山が低くなっているので、風が強いのだそう。ウトロ側の「ルシャ湾は一年中、強い風が吹いている。」と昨日の遊覧船の船内案内でも聞いた。
 ウトロ側は「ルシャ」と呼び、羅臼側では「ルサ」と呼んでいることにやっと気づいた(笑)。だから、ここは「ルサ フィールドハウス」なのだ。「ルシャ」も「ルサ」も同じアイヌ語に由来する地名であった。「向こうの道に繋がる所」のようなアイヌ語の意味だったと思う。
 ルサ峠は標高が300メートルくらい。半島の先端に向けて、標高1000メートル以上の知床岳があるのだから、半島の「くびれ部分」であるのだ。

ハウスの山側にガラス窓があり、ルサ峠の方向を見る。↓
 いかにも、冷たそうな風を発生させそうな、鉛色の雲が湧いている。所どころには、雲が切れて、青空が見える。天候の移り変わりの速さが分かる・・・。
 風の通り道である。風は、ルサ峠を越えて、あの雲から吹き付けられているのだ。冬は暴風雪となろう。
 風が強いせいか、山々の木々は少ない。疎林である。
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ハウスの山側のガラス窓。半島の地形や動物、植物の解説がある。
ルサの付近には、古代の住居跡もあったようだ。出土品の写真展示がある↓

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 ハウスで、トイレを借りるが、ここには水道はないとの表示。アルコールで消毒のみだ。
昨日の夕方見学した羅臼のビジターハウスとここルサフィールドハウスと、羅臼側には二個の案内施設がある。

ビジターセンター・・・羅臼の自然保護官事務所で環境省の出先機関と展示施設。
ルサフィールドハウス・・・知床の先端部に入る人のための情報提供施設

 の意味合いが強いのかな、と思った。
 よって、ここルサフィールドハウスでは、展示品がビジターセンターよりは少ない。利用者、入館者がどれだけいるかは、分からない。羅臼側は、ウトロに比べると、静かな漁村という感じで、知床の半島先端部、立入制限エリアに入る人がどれだけいるかは、分からない。(入林届などから推計して、統計は出ているとは思うが)

 ハウスの見学を終えて、館外に出てみる。ハウスの近くには、川が流れて、海にそそいでいる。「ルサ川」だ。付近の道路が通る橋を「知床橋」という。橋の先は国立公園エリアだ。ひひより先、橋を渡ると国立公園だった。その手前、ギリギリ国立公園指定地域の手前に「ルサフィールドハウス」を設置して、情報提供をしているのだろう。
 
 ルサ川にかかる知床橋のやや上流にサケの群れが泳いでいるのが見える。音も立てずに、流れに向かって(逆らって)尾びれを動かして、滞留している感じだ。数百匹はいるだろうか?。
 橋の下流、海側はというと、サケの群れはいない。川に入り、流れの適当なところで滞留しているのだろうか。
 海を眺めていても、サケが跳ねて、海から川へ遡上する様子はない。
 時折、橋をスピードを出して道路ょ車が通過する・・・・・・。「自然と現代文明の交錯」だ。

 ↓ 知床橋の先、国立公園だ。番屋などはあるが。停まっている車は番屋の関係者のものだろう。

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↓ ルサ川の上流、ルサ峠方面。
左側は、ルサフィールドハウスの敷地。
私の影が水面に映っている。清流だ。川の流れの速い場所に、サレの群れが縦列で泳いでいる。魚は、黒っぽく見える。というか、滞留している。
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 コンクリート護岸されているので、自然そのままの川でないのが、少し残念。だが、その上流はほぼ自然の流のようだ。ルサ川は、源流から河口まで、人家は無い。ルサ川の水系には、人間の生活圏がないため、自然の生態系がほぼそのまま維持されていると信じたい。

↓ 知床橋と海。左の川の水中には、黒い物体がいくつも見える。サケだ。

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↓ 山側。

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↓ 橋と羅臼の街の方向。
と橋のともと、ハウスの脇には、携帯電話の基地局?があった。携帯の電波もよく入ります。

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 ルサ川の河口。 ↓
 海からのサケの遡上は無い。沖合に鳥が飛んでいない。河口付近の海中にもサケはいないのだろうか。
河口付近の川の水深は浅い。子供でも簡単に渡れるくらい。サケはこの浅い川をどうやって、上流まで、遡上するのかな?。その姿は、圧巻だろう。
 早朝?に遡上して来るようだ。

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↓ 知床橋の上から、ルサ川の様子の拡大。
 この記事では、遡上しているのは「サケ」と書いているが、実際は「カラフトマス」のようだ。時期的に8月下旬から9月は「カラフトマス」が遡上のメインのようだ。その後は、「サケ」でも「シロザケ」の遡上が見られる筈。この時期、シロザケの遡上には早いようだ。

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ルサフィールドハウスをあとに、一気に標津へ向かうことにする。知床ともお別れだ。