2016年11月26日 
 金沢文庫にやって来た。生誕800年記念特別展「忍性菩薩-関東興律750年-」の見学のためである。
 (以下「金沢」と現代字体で表記する。)

 今年の夏に「忍性」にかんする特別展は奈良国立博物館で開催された。春に「信貴山縁起絵巻」の特別展に行ったときに開催を知った。遠い所での開催なので、奈良まで行くことは出来なかった。
 ところが、秋になって、今度は横浜市金沢区にある金沢文庫で特別展が開催されることを知った。ウェブサイトで展示内容を見ると、奈良での特別展とは別の展示企画のようだ。
 国宝指定の「金沢(北条)実時像」が一週間の期間限定で展示されるので、この国宝展示期間にあわせて、金沢文庫を訪れることにした。

 車で金沢文庫の近くまでやって来た。なぜなら、東海道線沿線からは電車で来ることが乗り換えの関係で結構大変だからだ。みれは、半永久的に解決しない、神奈川県民のテーマ??です(笑)。
 で、車でやって来たはよいが、金沢文庫には、駐車場が無い。来るまでも道路はノロノロで渋滞する。私が子供の頃に比べると、道路拡張が進んだので、昔ほどは渋滞しいなかも知れないが。神奈川県については、現在も人口が増え続けているので、渋滞が(昔と比較して)激しくなっているのかは、分からない・・・・。
 
 ともかく、道路沿いのコインパーキングに駐車した。金沢文庫の駅への道にも近いところだ。住宅地の中を文庫に歩く。道は狭い。直線道路では無いので、うねうね道なりに歩く。 近隣の住民であろう、歩いている人も多い。もう少し、東に行くと、八景島沿いの広い道路に出るのだが、以前、八景島シーパラダイスに行くときに通ったことがある。
 住宅地の中の道の十字路のそばの電柱に「金沢文庫はこちら」という看板がある。看板に従い、更に緑のこんねもりしとた丘陵に向けて歩く。金沢文庫はあの緑の木々の麓にあるのであろう。沿道には、一般の一戸建てで州宅、単身用のアパートなどが並んでいる。晩秋の午後のこと。洗濯物を干している家もあり、生活感が満載だ。が、かつて、この付近は鎌倉幕府の有力な一族、金沢北条氏の屋敷があったのだ。
 歴史は遥か彼方に、現在では大都市近郊のどこにでもある日本のベッドタウンである。
 突き当りに、目指す金沢文庫の建物が見えた。「ああ、あれだ。」とすぐに分かる。私の前後らも歩いて、文庫に向かう人がいる。
 文庫の敷地の近くには、小さい公園があり、親子が遊んでいる。どこにでもある、土曜日の午後の風景。ウチの子は、まはや私と遊んでくれません(涙)。道は、金沢文庫の建物を「L」字に曲がり更に続いているが、もう少し進むと、丘の緑地の崖地で行き止まりであろう。
 随分と立派な建物である。初訪問である。しかし、写真では見たことがある。歴史資料集などには写真の掲載があるので。「神奈川の歴史」のようなタイトルの副読本も学校で配布されていたと思うし。
 昔の写真で見たときは、本当に「文庫」という感じの鉄筋コンクリではあるが、唐破風屋根の小さい建物であった。建て替えをしたのであろうか。

 ↓ 入口付近。「金沢文庫」の張り紙しか無い・・・・。
  「あっ、カフェがある。」。前面にカフェを持ってくるとは、斬新なデザインだな。が、入口のドアが小さいのには、驚いた。「あれっ、通用口のような感じだな。ここは「文庫」で、(目的は)あくまでも資料保管であるから、入口は小さいのかな?」と思った。


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 実際のところ、あとでこちら(私が最初に入館した入口)は、正面ではなく通用口であることが分かったのだが(笑)、後述する。

 文庫の建物と、歩いて来た道の方向を振り返る。写真右の手前には、公園があった。

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  入館すると、エントランスは広い。受付カウンターまで距離がある。「ローカウンター」で高さが低い。カウンター内には女性が2人いる。チケットを購入する。700円。カウンター近くのパンフレットなどを少し見て、展示室に入る。展示室でチケットはちぎらない。購入後、そのまま、展示室に入る。
 展示室に入って、正面の最初のガラスケースには、三重県のお寺所蔵の重要文化財指定「忍性像」の展示がある。忍性の人となりが判る肖像画である。その他、導入としての展示品があった。
 特別展に関する展示は最初のガラスケースまで。次いで、北条一族の領地の変遷などのバネルが別の壁に掲示してある。こちらは、常設展示のようだ。
 バネルを見ると、年を追うごとに北条氏が守護となっている国が増えている・・・・。北条一族の系図も展示されている。しかも、名前の横には、その人の花押も記載されている。ここ金沢文庫の創設者である「北条実時」に始まる金沢北条氏の系図も、もちろんある。国宝に指定されている歴代金沢氏の歴代当主四名の肖像画の写真も展示してある。
 次のコーナーの広い壁面には、鎌倉幕府、鎌倉、北条氏、金沢北条氏などについて解説した大きなカラー年表の展示がある。
 映像テレビも設置されている。年表の上にテレビが設置され、視聴することが出来る。プログムは、金沢文庫について、金沢北条氏について、などなど複数のテーマがあり、ボタンを押して(映像を)選択できるようになっていた。 しばらく、映像を見る。
 展示室内は、すいている。私以外に数名いるのみだ。

↓ 企画展のポスター。

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