2017年4月15日 相国寺 承天閣美術館 「生誕300年記念 伊藤若沖展 後期」 鑑賞1

 昨年、「春の禅寺一斉拝観」で相国寺の公開時に訪問したときとはうって変わって、雨がやや降るお天気の下、相国寺の境内にやって来た。
 昨年は、相国寺の方丈と法堂を拝観した。「浴場」は公開されていなかった。
 
 今回訪れたとき、相国寺が公開期間中であったかは承知していない。時間がないので、とにかくまっすぐ承天閣美術館に向かった(笑)。同志社大学の校舎を横に見ながら歩道を北上し、お寺の西門から入った。西門から方丈や、美術館までは更に距離がある。あー、足が痛い(笑)。
 やっとのことで、承天閣美術館に辿り着いた。靴を脱いで玄関をあがり、受付カウンターでチケットを買う。大人一人800円だ。靴を脱ぐのも惜しいくらい時間が迫っている・・・・。

 西門にあった「生誕300年記念 伊藤若沖展 後期」の告知看板 ↓
 

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 承天閣美術館の展示室を見ていく。昨年、5月に来たときには、この美術館には若沖の作品は、ほとんど展示がなく、二点の水墨画(常設の鹿苑寺大書院の旧障壁画の床貼付、「葡萄小禽図床貼付」と「月夜芭蕉図床貼付」)のみが第二展示室に展示されていた。
 今年の「伊藤若沖展 後期」は、昨年12月から今年5月まで約半年間の会期と比較的長い。しかも、初公開の「鸚鵡牡丹図」がされるのだ。といっても、その絵の存在は元々知りまへーん(笑)。
 第一展示から見る。 昨年来た時は森田女史の特別展で、作品展示があった。今年は若沖などの作品の展示がある。

 
 続いて、第二展示室へ廊下を歩く。 
 第二展示室の奥の左の壁に初公開の「鸚鵡牡丹図」があった。
 どうしてこの絵が今まで非公開だったのかは、分からない。動植綵絵シリーズの作品ではないが、サイズは同じではないか。描き方も似ているし。何等かの理由で動植綵絵シリーズに入らなかったのか。
 白いオウムがじっと、前を凝視している様子。牡丹の花が赤と白のコントラストをなしている。オウムの白が牡丹の白とかぶって、オウムはかえって目立たない。
 「対」になる絵として「紅鸚鵡図」か別バージョンがあるのではないかと思った。

 ↓ 展覧会のチラシ。「鸚鵡牡丹図」の写真が掲載されている。

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 「鸚鵡図」は、昨年見たにように「版画」が有名だが、これは肉筆画。

 第二展示室には、重文指定の 水墨画50面が表裏で展示されている。一応、「1、2、3・・・・」と50枚あるか、数えた。ほぼ50あった。「葡萄小禽図床貼付」と「月夜芭蕉図床貼付」は何枚と数えるのかが、分からない・・・・(苦笑)。
 障壁画は、奥の部屋と手前の部屋の仕切りの部分の壁に、「両面」が見えるように、連続して展示されている。つまり、和室のふすまのレール上に一直線にならぺられて、末尾だけ「L」の字の展示になっている。裏面がない障壁画は片面だけの展示。

 昨年見て、覚えている絵もある。ほとんど忘れてしまったが・・・・(笑)。

 展示の末尾近くには「竹図」もあった。昨年は京都国立博物館の特別展「禅」でで公開され、なぜか都美(東京都美術館の「若沖展」)では公開がなかったが、今回はここ承天閣美術館でまとめて全部の公開であった。
 「竹図」には裏面が無い(両面の障壁画ではない)ようで、展示ケースの末尾に展示してあった。
 
 なんだ、昨年東京都美術館の「若沖展」であの大混雑の中、見ることは無かったではないかと苦笑せずにはいられなかった。もっともあのとき、会場入口近くに展示されていた水墨画は、混雑していなかったのだが・・・。もっとも、あのときは彩色の「細密画」が人気であった・・・・。
 かつての鹿苑寺大書院の、どこの壁にあったか、場面の解説付きだ。昨年の東京都美術館の「若沖展」と同じ解説らしい。
 ↓ 重要文化財 鹿苑寺大書院旧障壁画50面のうち 「松鶴図襖絵」 右側
  (展覧会パンフレットより)


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↓ 重要文化財 鹿苑寺大書院旧障壁画50面のうち 「松鶴図襖絵」 左側
  松の絵の襖 右側の一枚以上が欠落しているようだ。昔はもっとあったのだろう。

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 鹿苑寺大書院旧障壁画は
 「一之間」は「葡萄小禽図」で「葡萄と小鳥の絵」。
 「二之間」は「松鶴図」。一之間の裏側にある襖絵。
 「三之間」は「芭蕉とハハ鳥」(漢字が・・・・)。「月夜芭蕉図床貼付」と似ている。
          (当たり前だが)芭蕉とカラスのような鳥の絵だ。
 「四之間」は「菊鶏図」。水墨でニワトリを描いている絵。ニワトリの正面の顔を描いたところ。トリの面玉(めんたま。あるいは「目玉」か?。)がギロリとしてこちらを見ている。リアルな作品だ。
 この「菊鶏図」を一番覚えている。今回も展示があった。どこか、滑稽な表情のトリさんの絵。
 11か月ぶり、今度は京の都で再会できました(笑)。