2019年4月29日 特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」 鑑賞4(最終)  京都国立博物館

 
  清浄光寺(遊行寺)の所蔵品である、「国宝 一遍聖絵」を中心とする特別展。
 2階にハイライトとなる、「国宝 一遍聖絵」が展示されていいた。順番に鑑賞していく。

 第6巻は、第1段の部分の展示。絵は三尺くらいの長さしかない。詞が長い。第6巻は例の「江ノ島断簡」として切り出しされた部分である。片瀬の浜辺で櫓を組んで、踊り念仏を行う(遊行する、というのかな。)のシーンであった。「江ノ島断簡」は写真パネルでしか見たことが無い。

 第7巻は、東京国立の所蔵品 独立している国宝である。前期は、全巻展示である。よって、途中で巻き巻きしていない。

 ↓ 館内は撮影禁止であった。
  画像は 2015年11月 東京国立博物館で公開された当時のもの。(管理者撮影)

 
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 ↓ 2015年11月東京国立博物館で撮影。 国宝「一遍聖絵 巻七」(管理者撮影)


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↓ 2015年11月東京国立博物館で撮影。 国宝「一遍聖絵 巻七」(恐らく)(管理者が撮影した)
   巻末に「補之・・・・当寺・・・」と記してある。国宝の現物だったか、別の作品だったか忘れた・・・。

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 第7段の踊るシーンは、まさに「ハイライト、クライマックス」ですね。
 巻7の流出した経緯も解説で書いてある。2015年11月にも流出の経緯を読んだと記憶している。「江戸時代に京都、西奉行所の役人が持ち出し、明治維新後は、税所子爵の手に渡り、更に原三渓が購入し戦後、東京国立に所蔵されることになった・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」そうだ。

 2階の展示室は、廊下やそこに設置してあるベンチからは、シー(see)スルーで1階の吹き抜けの部分の展示室を見下ろすとこができる。ベンチで座って休憩するが、付近には私以外に看視員しかいない。鑑賞者が少ないので、展示室内(といっても京都国立の2階の展示室は厳密に壁があるわけではなく、廊下とつながっている開放型の凹型展示室である。)のこれら国宝もほぼ独占で鑑賞できる。大型連休なので、皆、どこかに出かけてしまって、都市の「箱モノ施設」には来ないのかな・・・・。

 第8巻 舟に乗り海上に出るシーン。久美浜(鎌倉の近く、ペリー来航で有名なだったか、久里浜だったかな?、と誤解してしまった・・・・。)から舟に乗る。龍が出現する場面だ。まるで、クジラが海面に出てくるような感じだった。
 舟に乗って、日本海側、山陰地方の巡回となっているのだ。すると日本三景のひとつ、天の橋立も訪れていることだろう。現在の岩手県の祖父の墓も訪れているし、そのときに松島は行ったのだろうか?。
 次いで、第9巻  覚えていない・・・。
 第10巻 安芸の国に場面は移動する・・・。厳島神社の場面。今とほとんど社殿の様子は変わっていない。
 日本三景も場面に入っているのですよね。今から700年以上も昔の鎌倉時代でも参詣必須の風光明媚の場所であったのだろう。
 第11巻 阿波の国に上陸するシーン。ここで発病している。療養し、再び・・・摂津に渡るようだ。いよいよ最終のシーンは近い。
 第12巻の第1段と第2段が展示されている。
 いよいよ、一遍の死の場面に・・・・・・。解説には「臨終が近くなり、・・・・紫雲が立つ・・・・・」と死を予感させる。
 摂津の国、現在の兵庫県西宮市付近の神社で快癒を祈るシーンの描写である。
 臨終の場面は後期の展示であるので、前期では現物の展示は無い。巻いて見えないようになっていた。

 近代以降の複製も展示しているので、臨終の場面も見ることは出来、連続して鑑賞した気持ちになることができる。もっとも12巻については、遊行寺宝物館で会期の最後近くにて、末尾の部分を見たとこがある。
 今回の展示での解説でも、「一遍の臨終後、7人の信者が(あとを追って)入水した・・・・。」という文章があった。現代感覚では何とも怖い結末である・・・・。

 2階に展示してある絵巻を最終の第12巻まで鑑賞した。
 途中、一遍が廻った諸国の日本地図が掲示してある。順路は現在の西日本が多い。東日本、鎌倉や陸奥の国にも足を運んでいるが、伊予の国の生まれで、少年の頃に大宰府に行き、熊野に行き、摂津で没しているので諸国の布教というか、巡回は西日本が中心である。
 時計をみると18時3分前。鑑賞を終えた。この辺で切り上げようと余裕をもって、1階へ階段をおりる。やっぱり、1階を先に見ておいて正解でした(笑)。

 18時に閉館の案内となった。1階のエントランスの売店(つまり、ミュージアムショップ)で少し商品を見て退出。
 
↓ 18時過ぎに、平成知新館を退出した後、京都タワー方面。
  GWに来たときに、以前も書いたと思うが、この季節、ツヅシがきれいに咲いている。

 
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  屋外に設置さていた看板の拡大。 次回、秋まで特別展が無い。
 10/12(土曜)から「佐竹本 三十六歌仙絵 王朝の美」の予告。

 
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 閉館直後の門前の様子。西日本、京都は関東と違って、18時でも全然、関東地方よりも明るいぞ。
 雨が強くなってきた。この後、夜半にかけて強い雨となった。

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 あーあ、歩き疲れた。ふたたび、京都駅に戻る気力が無い。傘をさし、七条駅に向かって緩い下り坂を歩き、七条駅の地下に潜った。
 (おしまい。)