開館60周年記念「コレクションの歩み展」 鑑賞3 大和文華館  2020年7月(新型コロナ感染症流行下)

   ↓ 2020年7月 未だ梅雨のあけない曇天下の 大和文華館 外観。

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 重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵「小大君」。

 昨年の京都国立博物館 特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵」では、前期に行ったので、後期展示の「小大君」は見ていない。展示替えがあったので、私が見たときは女性の肖像は「小野小町」の「後ろ姿」だけ・・・・。正面きって、女性のお顔を拝することができなかった・・・・。今回、やっとお顔を拝することができた。 
 
 「いわはしの・・・よるのち××も たえぬべし ・・・・ かつらぎの神」と歌が書いてあると説明なあるが、実際のところ歌の冒頭の「い」と「・・かつらぎ・・」しか文字が読めない・・・・・。

 歌の意味はよくわからないが、しばし、小大君を見つめた。当時の平安美人の例にもれず、目は細いので、表情はよくわからない。
 黒い髪の彩色はよく残っている。すごーく長い髪で、十二単の裾、腰のずっと先まである。十二単の赤も鮮やかに残っている。美しさを引き立てている。比較的よくのこっていて、鮮やかな緑色の部分の顔料は、銅の緑青でしょう。
 肖像の上に書いてある略伝はあの「斎宮女御」と、間違えて書いてあるそうだ。「醍醐天皇の孫、三品の娘」とある。なんだか、いいかげん
 「重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵「斎宮女御」 個人蔵」 の展示は、昨年の京都国立博物館 特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵」では無かったことは周知のとおり。昨年放映の紹介テレビ番組でも「斎宮女御」を詳しく解説していたので、大変残念であった。「斎宮女御」は、皇族であるとは昨年、特別展の解説で知った。醍醐天皇の孫にあたる女性。「三品」とは、「斎宮女御」の父親の親王の官位のことで、「三品親王」といったところか。唐風の官位名かな。
 

 書は、九条良経と伝えられるという。実際はたぶん違うと思うけど、ハクをつけるため適当な当時の有名人が書いたことにして伝える??と感じるのは、ボクだけだね。似た名前の人物でのちに鎌倉将軍になった、頼朝の傍系子孫 九条頼経がいる。
 ともかく、九条家の人物が書いてあるということは、藤原氏の嫡流が近衛と九条に分かれた後のこと。この佐竹本絵巻の成立は頼朝がいた時代を含むの鎌倉時代初期の頃だったのでしょう。


 ↓ 昨年2019年の京都国立博物館 開催の特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵」 
   大和文華館所蔵 重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵「小大君」の画像の掲載のあるパンフレット。


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 重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵「小大君」をじっくりと見つめて鑑賞した後、
  窓の外、眼下の池を見ながら、次の展示へ。次の角のところに 可翁作の水墨画の展示がある。ここからの順路は、主に中国関連の作品であった。

 国宝「寒山図」の作者としても知られる 可翁作 重要文化財「竹雀図」。竹が両脇に、雀が画面下に描いてある。つまり、そのまんま「雀と竹の図」。あの可翁の四角い落款の印がある。下に小さい四角い「仁賀」という落款も押してある。説明によると「仁賀」と落款のある作品は 可翁の作品で数点確認されているという。「幻の画家」可翁の「幻の落款」とも言うべきか。


 伝趙令穣 筆 「秋塘図」は、水墨と赤っぽい絹本の図で、秋らしき渓谷の風景。北宋時代。説明によると作者は「太祖の5世の子孫」という。「太祖」は宋国の初代皇帝の趙匡胤のこと。次代皇帝は、弟の太宗。皇帝位は、太宗の子孫に受け継がれたので、遠い親戚ということか。宋の不思議は、弟の太宗の子孫に皇帝位が移ったことでもある。兄だから、皇帝位を継ぐのではないことは、のちの明、清でもあったので、この点はのちの日本の長子相続とは異なるということか。
 当時の北宋の皇帝は、徽宗(きそう)。為政者としては失格で、捕虜でとらえられて、金に連れ去られて、宋(北宋)は滅亡したときの皇帝。その徽宗とも交友があったという。

 国宝 「雪中帰牧図」の展示があった。「隠しサインがある」というが、目をこらして見たがわからなかった・・・・。 2017年の 特別展「国宝」でも展示されていて、見てもわからなかった。すいていて、独占して鑑賞できた本日でも発見できなかったので、老眼鏡を掛けない限り!!??、発見は無理でしょう(笑)。
 隠しサインは画中の「下の「土破(字が違うが盛り土のことか)」の切れ目の下」にあるらしい。
 
 日本の作品であるが、以前も鑑賞した 雪村の重要文化財「呂洞賓図」もここに展示があったと記憶する。

 最後の展示が、中国絵画や陶磁器。 景徳鎮や 建窯など 中国 各地の窯の解説ボードがあった。


 一通り見て13:15頃、館を出る。 館内は、すいていて出入口付近には人がいない。先ほどの母子は、庭を通って散策して帰るようだ。
 私は坂道を下る。

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 前回は、春の気候のいい時期の訪問であった。今回は、梅雨の季節、夏で蒸し暑い。
 文華苑は、夏の緑色。常緑の松は、いつも緑色。
  ↓  大和文華館の 門付近と券売り場と駐車場。

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